みるものすべて?あるものすべて? … 日頃、人は何処を、何を視ているのだろう。 風景の一部を、自らの一部を、相手の一部を、 いや、全体を? 在るものすべてを、視る事などありえないのか? 視るものすべてが、在るものなのか? そんな事を考えつくられたものは、 私の視た一部だろうか?全体だろうか? 果たして、それは存在するものなのだろうか? 見る人により、それは、また切り取られていく。 一部となり、また、全体となるのだろうか? 日常、視ている、在ると思うものを、 あらためて考える空間に作品がなる事を願い、 線の軌跡を重ねる。 一瞬近づき、一瞬遠のく線の軌跡が集まり、 空間が生まれ、と同時に線の軌跡が消えるまで、 視続け、描き続けられたらと思う。 ………………………………………………三森早苗 素材/羊毛、パルプ、色鉛筆、他 撮影/早川宏一 |